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5)解糖の調節

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今回は解糖の調節について学んでいきましょう。
解糖の調節段階は主に不可逆反応にありますので、どの反応が不可逆反応であったかを確認しながら解説していきます。

1.解糖の調節

解糖の不可逆反応

まずは解糖の3つの不可逆反応を再確認しておきましょう。10段階の反応のうち、3つの反応は「不可逆反応」で解糖の調節段階になっていました。

解糖「3つの不可逆反応」
1.ヘキソキナーゼによる
 「グルコース→グルコース6-リン酸」の反応
2.ホスホフルクトキナーゼによる
 「フルクトース6-リン酸→フルクトース1,6-ビスリン酸」の反応
3.ピルビン酸キナーゼによる
 「ホスホエノールピルビン酸→ピルビン酸」の反応
 

解糖における3つの不可逆反応の位置はこちら↓

解糖の調節として覚えてことが望まれるのは、グルコースの細胞内への取り込みヘキソキナーゼ6-ホスホフルクトキナーゼピルビン酸キナーゼの調節になります。

グルコースの細胞内への取り込みの調節

血糖値が上昇したときには解糖によって血糖値を速やかに低下させなければいけません。このような状態ではインスリンが分泌されて細胞内への糖の取り込みを促進させますが、このときインスリン依存的に糖の細胞内への取り込みを促進するグルコース輸送体にGLUT4があります。

GLUT4は筋肉脂肪組織で特異的に発現していますが、これらの組織の体全体に占める割合は非常に大きいため、GLUT4がインスリンによって調節されているということは血糖値の維持において重要な役割を担っています。

インスリンによる細胞内への糖取り込みの調節についてはこちら↓

※GLUTの種類と役割については「糖質の利用(作成中)」で詳しく解説しています。

ヘキソキナーゼの調節

哺乳類のヘキソキナーゼは、反応によって生じたグルコース6-リン酸が多くなると阻害されます。このような阻害は、反応の生成物によって阻害されるということから特に生成物阻害と呼ばれています。

グルコース6-リン酸の量が蓄積しているということは、解糖の下流の反応が阻害されていることを意味するため、このような条件下での解糖の阻害はヘキソキナーゼがさらに蓄積してしまうことを防ぐ意味合いがあります。

6-ホスホフルクトキナーゼの調節

哺乳類のホスホフルクトキナーゼは、ATPクエン酸によって阻害され、AMPフルクトース2,6-ビスリン酸によって活性化されます。(哺乳類ではAMP、細菌ではADPによって活性化されます)

6-ホスホフルクトキナーゼはATPを基質として用いるにも関わらず、ATPによってアロステリックに阻害される酵素です。これは一見矛盾しているように見えますが、解糖はエネルギーであるATPを生み出す経路であるため、エネルギー不足の指標となるAMPの存在下で活性化されなければいけません。

AMPはホスホフルクトキナーゼを活性化すると述べましたが、AMPはATPによるホスホフルクトキナーゼの阻害を解除する働きがあります。このため、ATPを基質としてホスホフルクトキナーゼが働くためにはAMPが存在すること、つまりエネルギーが不足していることが重要なのです。

また、クエン酸が蓄積しているということは、クエン酸回路が阻害されていることを意味するため、このような条件下での解糖の阻害はピルビン酸の供給量を減らし、クエン酸がさらに蓄積してしまうことを防ぐ意味合いがあります。

フルクトース2,6-ビスリン酸は6-ホスホフルクトキナーゼを強く活性化させますが、これについては「4)ホルモンによる糖新生と解糖の調節」にまとめています。

ピルビン酸キナーゼの調節

ピルビン酸キナーゼは、ATPによって阻害され、フルクトース1,6-ビスリン酸によって活性化されます。

解糖が活性化されていないときには、ピルビン酸キナーゼはATPによって阻害されている状態ですが、6-ホスホフルクトキナーゼが活性化され、フルクトース1,6-ビスリン酸の濃度が上昇すると、ピルビン酸キナーゼは活性化されるようになります。このように、代謝経路の最初の段階で生じた生成物や基質が、後の反応の酵素活性を上昇させる調節機構はフィードフォワード活性化といいます。

 

解糖の調節についてはこれで以上です。
次は「1)クエン酸回路の役割」について学んでいきましょう。

 

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