生化学

4)RuBisCO(ルビスコ)と光呼吸

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RuBisCO(ルビスコ)と光呼吸

前回は「3)カルビン回路(CO2固定)と暗反応」について、光合成における暗反応について学びました。ここでは、光合成における暗反応で登場したRuBisCOの二酸化炭素(CO2)の固定以外の働きを確認していきたいと思います。

1.RuBisCOと光呼吸

RuBisCOの2つの機能:「二酸化炭素の固定」と「酸素添加」

RuBisCO(ルビスコ)とは、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼという酵素のことで、地球上で最も多量に存在しているといわれているタンパク質です。

この酵素は、葉緑体のストロマに存在しており、暗反応(カルビン・ベンソン回路)において、二酸化炭素(CO2)を固定する働きがあります。

黒アザラシ
RuBisCOという酵素はカルボキシラーゼという名前がついているので、この場合リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP:C5)にカルボキシル基(-COOH基)を付加する酵素だとわかりますが、オキシゲナーゼとも書かれているということは、リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP:C5)に酸素(O2を添加する酵素としても働くということですか?
その通りです。RuBisCOは、リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP:C5)にCO2を付加して2分子の3-ホスホグリセリン酸(PGA:C3)を生じる反応と、リブロース1,5-ビスリン酸(RuBP:C5)にO2を添加して1分子の3-ホスホグリセリン酸(PGA:C3)と1分子の2-ホスホグリコール酸(C2)を生じる反応の両方を行う酵素です。
AZARASHI

以下に、RuBisCOによる酸素添加反応の反応式を示しておきます。

RuBisCOによる酸素添加反応

RuBP(C5) +O2→PGA(C3)+2-ホスホグリコール酸(C2)

なぜ「光呼吸」と呼ばれるのか?

RuBisCOの酸素添加反応によって生じた2分子の2-ホスホグリコール酸(C2)は、その後、ペルオキシソームとミトコンドリアにおいて代謝されて、最終的に、1分子のCO2と1分子の3-ホスホグリセリン酸(PGA:C3)に変換されます。そして、再びカルビン・ベンソン回路の基質として用いられます。

この経路では、光エネルギーを利用する明反応で生じたATPやNADPHのエネルギーを用いることで、酸素(O2を消費して二酸化炭素(CO2を生成することから「光呼吸」とも呼ばれています。

RuBisCOと光呼吸についてはこれで以上です。
次は「5)C4回路、CAM植物」について学んでいきましょう。

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