生化学(実験手法)

2)マキサム・ギルバート法(従来法)

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 古くから知られているDNAシークエンスには、大きく分けて「マキサム・ギルバート法」と「ジデオキシ法(サンガー法)」の2種類があります。今回は「マキサム・ギルバート法」について解説していきます。

1.マキサム・ギルバート法の原理

 マキサム・ギルバート法とは、末端をRI(放射性同位体)標識したDNA溶液に「ジメチル硫酸(Gの前で切断)」「酸(GあるいはAの前で切断)」「ヒドラジン(CあるいはTの前で切断)」「ヒドラジン+塩(Cの前で切断)」をそれぞれ加えることによって、DNAを特定の塩基において切断し、その後、ポリアクリルアミドゲル電気泳動でDNA断片を分離することによって、ジデオキシ法と同様の仕組みでDNAの塩基配列を解読することができます。

 このとき、DNAの切断が1分子DNAあたり1個の割合で起こるようにすることで、各塩基において切断されたさまざまな鎖長のDNA断片(末端標識されたDNA断片)を得ることができます。

 マキサム・ギルバート法は、試薬を加えることによって化学分解によりDNAを切断するという原理から「化学分解法」とも呼ばれています。この手法は、操作が煩雑な上、使用する試薬の危険性や反応効率の悪さなどから現在では「ジデオキシ法」を利用した自動化DNAシークエンス法の方が主流となっています。

※ジデオキシ法については「1)ジデオキシ法による塩基配列解析の原理と概要」で詳しく解説しています。

マキサム・ギルバート法(従来法)についてはこれで以上です。
次は「1)特定のRNAの検出と遺伝子発現の解析」について学んでいきましょう。

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【参考】

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