RuBisCO(ルビスコ)と光呼吸
前回は「3)カルビン回路(CO2固定)と暗反応」について、光合成における暗反応について学びました。ここでは、光合成における暗反応で登場したRuBisCOの二酸化炭素(CO2)の固定以外の働きを確認していきたいと思います。
1.RuBisCOと光呼吸
RuBisCOの2つの機能:「二酸化炭素の固定」と「酸素添加」
RuBisCO(ルビスコ)とは、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼという酵素のことで、地球上で最も多量に存在しているといわれているタンパク質です。
この酵素は、葉緑体のストロマに存在しており、暗反応(カルビン・ベンソン回路)において、二酸化炭素(CO2)を固定する働きがあります。
以下に、RuBisCOによる酸素添加反応の反応式を示しておきます。
RuBisCOによる酸素添加反応
RuBP(C5) +O2→PGA(C3)+2-ホスホグリコール酸(C2)
なぜ「光呼吸」と呼ばれるのか?
RuBisCOの酸素添加反応によって生じた2分子の2-ホスホグリコール酸(C2)は、その後、ペルオキシソームとミトコンドリアにおいて代謝されて、最終的に、1分子のCO2と1分子の3-ホスホグリセリン酸(PGA:C3)に変換されます。そして、再びカルビン・ベンソン回路の基質として用いられます。
この経路では、光エネルギーを利用する明反応で生じたATPやNADPHのエネルギーを用いることで、酸素(O2)を消費して二酸化炭素(CO2)を生成することから「光呼吸」とも呼ばれています。
RuBisCOと光呼吸についてはこれで以上です。
次は「5)C4回路、CAM植物」について学んでいきましょう。