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4)アガロースゲル電気泳動

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電気泳動とは

 電気泳動とは、核酸(DNAやRNA)やタンパク質などの電荷をもった物質を電場を利用して分離するための手法のことをいいます。

 核酸やタンパク質といった電荷をもつ物質は、電流を流したときに移動する性質があり、それらの移動距離は各物質のもつ電荷や分子量に依存します。そのため、電気泳動では、ゲルの上端から下端へと電場をかけることで各物質を電荷や分子量に応じて分離することができます。

アガロースゲル電気泳動とPAGE

 電気泳動には、分離したい物質の違いによってアガロースゲル電気泳動ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)の大きく2つがあります。

 前者はアガロースゲルを用いた電気泳動のことでDNARNAといった核酸の分離に、後者はポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動のことで主にタンパク質の分離に用いられます。ポリアクリルアミドゲル (PAGE)では、特に、SDS(Sodium Dodecyl Sulfate;ドデシル硫酸ナトリウム)という界面活性剤を用いたSDS-PAGEと呼ばれる電気泳動が非常に有名です。

※SDS-PAGEやその他のポリアクリルアミドゲル 電気泳動の詳細な内容については「2-4.タンパク質の検出法」で解説しています。

 アガロースゲルとポリアクリルアミドゲルは網目状構造をしているため、DNAやタンパク質試料を分子ふるい効果によって分離できます。すなわち、小さい物質は速く移動し、大きな物質はゆっくりと移動することから分子量に応じた分離が可能です。このとき、DNAやタンパク質試料以外に、分子量マーカーと呼ばれる分子量が既知のDNA断片(複数の長さのDNA断片が含まれている)も同時に電気泳動で流しますので、分子量マーカーの移動度と比較することによって未知試料の分子量も推定することができます。他にも、目的試料以外のバンドの検出の有無を確認することによって、目的試料の純度を測ることが可能です

 アガロースゲルとポリアクリルアミドゲルの最も大きな違いはゲルを構成する目構造の大きさの違いにあります。以下に、アガロースゲルとポリアクリルアミドゲルについて解説しています。

①アガロースゲル

 主にDNAを分離するために使用されるアガロースゲルは、ポリアクリルアミドゲルと比べると大きな孔をもつ網目構造になっています。これは、DNAとタンパク質とではDNAの方が大きく、DNAの分離ではタンパク質試料の分離よりも網目が比較的粗いゲルを用いる必要があるためです。

 ちなみに、DNAを構成する塩基対は1塩基対(1bp;1対のヌクレオチド)あたり660Da(ダルトンと読み、分子量を表します)であるのに対して、タンパク質を構成するアミノ酸は1アミノ酸あたり110Daです。

※直感的にはタンパク質の方が大きいようなイメージをもたれる方が多いですが、DNAの方が分子サイズは大きいです。

②ポリアクリルアミドゲル

 主にタンパク質を分離するために使用されるポリアクリルアミドゲルは、アガロースゲルと比べると小さな孔をもつ網目構造になっています。そのため、タンパク質の分離はもちろん、オリゴヌクレオチドといった低分子DNAなども分離することができます。

アガロースゲル電気泳動の原理と概要

 DNAを構成するヌクレオチドには、負電荷を帯びたリン酸基が含まれているため、DNAは全体として負の電荷を帯びています。そのため、アガロースゲルの片側にDNAをアプライして電流を流すと、DNAは陽極に引き寄せられて移動します。

 アガロースゲルの孔より小さなDNAは網目を通過しやすくゲルの中を早く移動することができますが、アガロースゲルの孔より大きなDNAでは、アガロースゲルの網目がDNAの移動を邪魔するため、同じ電流を流しても小さいDNAよりもゆっくりと陽極に移動します。このため、アガロースゲル電気泳動ではDNAを分子量に依存して分離することができます。 

アガロースゲル電気泳動についてはこれで以上です。
次は「1)サザンブロッティング」について学んでいきましょう。

 

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