光合成と葉緑体
ここでは、光合成の役割について学んでいきましょう。
葉緑体の構造と名称
光合成の行われる場所は、植物などのもつ葉緑体という細胞小器官になります。
そこで、まずは葉緑体の構造とその名称について確認していきましょう。
主に覚えておきたいのは、
ポイント
ストロマ、チラコイド、グラナ、チラコイド内腔、チラコイド膜、外膜、内膜
の7つになります。
明反応と暗反応
明反応におけるNADPHとATPの産生
光合成の過程には、明反応と暗反応の2つの段階があります。
明反応とは、その名の通り、光をエネルギーとしてNADPHとATPを産生する反応のことです。
この明反応が行われる場所は、葉緑体のチラコイド膜(光化学系ⅠやⅡなどが膜に埋め込まれて存在している)になります。
明反応の最初の段階では、水(H2O)が分解されて、酸素(O2)を生じます。
暗反応におけるCO2の固定と糖の産生
暗反応とは、明反応で生成されたNADPHとATPを用いて、二酸化炭素(CO2)を固定し、糖を産生する反応のことです。
この暗反応が行われる場所は、葉緑体のストロマ(RuBisCOなどが存在している)になります。
※RuBisCO(ルビスコ)とは、リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼという酵素のことで、地球上で最も多量に存在しているといわれているタンパク質であり、二酸化炭素(CO2)を固定する働きがあります。
光合成の反応式
光合成の全体の反応式は以下のようになります。
光合成の反応式
6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6O2
※反応物の12分子の水(H2O)は明反応での水の分解によるもの(このとき6分子のO2が生じます)ですが、生成物の6分子の水(H2O)は暗反応での二酸化炭素(CO2)の還元によって生成するものになります。
この反応では、上述のように光エネルギーが利用されています。そのため、光合成の役割としては「光エネルギーを利用して、二酸化炭素をもとに有機物(糖)を合成する」ことであるということができるかと思います。
光合成の役割についてはこれで以上です。
次は「2)光化学系と明反応」について学んでいきましょう。
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2)光化学系と明反応
光合成の明反応とクロロフィル 前回は「1)光合成の役割」について、光合成には明反応と暗反応の2つがあることを学びました。ここでは、光合成の明反応について確認していきましょう。 1.光化学系とクロロフィ ...
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