第39回管理栄養士国家試験(8問目)
社会・環境と健康
第39回【8問目】「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1) 対象者を 18 歳未満、18〜64 歳、65 歳以上で区切って、推奨事項が示されて いる。
(2) 「座位行動」という概念が取り入れられた。
(3) 「高齢者」の運動として、筋力トレーニングは推奨されていない。
(4) 「高齢者」の身体活動として、強度は問わず、1日 40 分以上行うことが推奨されている。
(5) 「身体を動かす時間が少ないこども」において推奨されている身体活動の強度は、5メッツ以上である。
厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf
第39回【8問目】「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」に関する問題、解説スタート!
この問題の正解は、(2) 「座位行動」という概念が取り入れられた。 です!


第39回【8問目】「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。
✖️(1) 対象者を 18 歳未満、18〜64 歳、65 歳以上で区切って、推奨事項が示されている。
このガイドでは、対象者の年齢区分が少し違うんです。「18歳未満」という一括りではなく、もう少し細かく分けられていますよ。
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」では、対象者を「子ども(幼児・児童)」「成人(18〜64歳)」「高齢者(65歳以上)」という3つの区分で示しています。特に「18歳未満」とせず、「幼児・児童」という表現を使っているのがポイントです。年齢によって身体の発達段階や、推奨される運動の種類や量が異なるため、このように細かく分けているんですね。
◯(2) 「座位行動」という概念が取り入れられた。
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」の大きな変更点の一つ!
「座位行動」っていう新しい考え方が加わったんですよ。
メモ
「座位行動」とは、座ったり横になったりして過ごす時間のことを指します。
これまでの身体活動ガイドは、主に「運動不足」に焦点を当てていました。
でも、今回の2023年版ガイドでは、テレビを見る、スマホを操作する、デスクワークをするなど、長時間座りっぱなしでいること自体が、運動不足とは別に、健康に悪影響を及ぼすということが強く示されたんです。例えば、心臓病や糖尿病、がんのリスクが高まる可能性も指摘されています。
だから、このガイドでは、単に運動するだけでなく、座っている時間を減らして、こまめに立ち上がったり、体を動かしたりすることの重要性が強調されています。
✖️(3) 「高齢者」の運動として、筋力トレーニングは推奨されていない。
高齢者の方にとって、筋力トレーニングはとっても大切。むしろ積極的に推奨されているんですよ。
「高齢者(65歳以上)」の方々にとって、筋力トレーニングは健康寿命を延ばし、自立した生活を送る上で非常に重要です。
筋力が低下すると、転倒のリスクが高まったり、日常生活の動作(例えば、立ち上がる、歩く、物を持ち上げるなど)が困難になったりします。
ガイドでは、高齢者に対して、週に2〜3回、大筋群(太ももやお尻など大きな筋肉)を鍛える筋力トレーニングを行うことを推奨しています。特別な器具がなくても、自分の体重を使ったスクワットや、壁を使った腕立て伏せなど、自宅でできる簡単な運動から始めることができます。いつまでも元気に活動するために、筋力維持・向上のための運動は欠かせないんです。
✖️(4) 「高齢者」の身体活動として、強度は問わず、1日 40 分以上行うことが推奨されている。
高齢者の方の身体活動の推奨は、時間も強度も、この選択肢とはちょっと違いますよ。

「高齢者(65歳以上)」の身体活動の推奨は、「週に150分以上の中強度以上の身体活動」を行うことです。
これを1日あたりに換算すると、約21分程度になります。
ポイント
ポイントは「強度は問わず」ではないところ!
ウォーキングでも、少し息が弾むくらいの速さ(中強度)が推奨されています。
また、時間が「1日40分以上」と決まっているわけではなく、週に合計で150分以上という目安があります。
もし連続で活動するのが難しい場合は、10分以上の短い時間でもOKなので、合計で目標時間を達成するように促すことが重要です。
✖️(5) 「身体を動かす時間が少ないこども」において推奨されている身体活動の強度は、5メッツ以上である。
身体を動かす時間が少ない子どもに対しては、特定の「メッツ」の数値で厳しく区切って推奨しているわけではないんです。
「身体を動かす時間が少ない子ども」に対しては、いきなり高い強度の身体活動を求めるのではなく、まずは日常生活の中で体を動かす機会を増やし、段階的に身体活動量を増やしていくことが推奨されています。
例えば、外遊びを増やす、通学時に歩く時間を増やす、習い事などで体を動かす機会を作るなど、子どもが楽しく体を動かせる工夫が大切です。
特定のメッツ値を下限として設定しているわけではなく、子どもたちの発達段階や体力レベルに合わせて、まずは「体を動かす習慣」を身につけることが重要視されています。メッツは身体活動の強さを示す単位ですが、子どもに対しては、より包括的なアプローチが求められるということです。
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