第39回管理栄養士国家試験(17問目)z
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
第39回【17問目】健康増進法に基づき市町村が行う、対策型がん検診に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1) 血小板には、核が存在する。
(2) 細胞外のナトリウムイオン濃度は、細胞内より低い。
(3) 全ての細胞は、1つの受精卵から発生する。
(4) 細胞周期の S 期では、染色体が形成される。
(5) マクロファージは、リンパ球から分化する。
厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf
第39回【1問目】疾病の自然史と予防手段の適用段階に関する問題、解説スタート!
この問題の正解は、(3) 全ての細胞は、1つの受精卵から発生する。 です!


第39回【17問目】健康増進法に基づき市町村が行う、対策型がん検診に関する記述である。 最も適当なのはどれか。1つ選べ。
✖️(1) 血小板には、核が存在する。
血小板は、赤血球や白血球と一緒で血液の中にあるんだけど、実は「細胞のカス」みたいなもので、自分で増えたりする細胞としての働きはあまりないんだ。だから、細胞に必要な「核」を持っていないんだよ。
血小板は、骨髄にある巨核球という大きな細胞の一部がちぎれてできた、円盤状の小さな血液成分です。
細胞としての完全な形ではなく、細胞質(細胞の中身)は持っていますが、遺伝情報を格納している核は持っていません。そのため、自分でタンパク質を合成したり、分裂して増殖したりする能力はありません。主な役割は、血管が傷ついたときに血を止める「止血」の働きだよ。カサブタができるのも血小板のおかげなんだ。
✖️(2) 細胞外のナトリウムイオン濃度は、細胞内より低い。
私たちの体の中の細胞は、外側(細胞外)にナトリウムイオンがたくさんあって、内側(細胞内)にはカリウムイオンがたくさんあるんだ。
これが、細胞が正常に働くためにとっても大事なバランスなんだよ。
細胞内外のイオン濃度勾配は、細胞の活動において非常に重要です。
特に、ナトリウムイオンは細胞外液に多く存在し、カリウムイオンは細胞内液に多く存在するという特徴があります。これは「ナトリウム-カリウムポンプ」という仕組みによって常に調節されていて、神経伝達や筋肉の収縮など、様々な生命活動に必要な電気的な信号を生み出すもとになっています。もしこのバランスが崩れると、細胞の機能が正常に働かなくなっちゃうんだ。

⭕️(3) 全ての細胞は、1つの受精卵から発生する。
私たちの体は、たった一つの「受精卵」という細胞からスタートして、それが何度も分裂を繰り返して、色々な種類の細胞になって、最終的に今の私たちの体になっているんだ。だから、体を作る全ての細胞の始まりは同じなんだね。
ポイント
有性生殖を行う多細胞生物の発生は、精子と卵子が受精してできる「受精卵」というたった一つの細胞から始まります。
この受精卵が、細胞分裂(体細胞分裂)を繰り返し、分化(特定の機能を持つ細胞に変化すること)を経て、様々な組織や器官を形成し、個体へと成長していきます。
例えば、皮膚の細胞も、筋肉の細胞も、神経の細胞も、元をたどれば全てこの受精卵にたどり着くんだ。
例外として、細菌やウイルスなど、単細胞生物や非細胞性生物は受精卵から発生しませんが、問題文はヒトを含む多細胞生物の細胞について問うていると解釈できます。
✖️(4) 細胞周期の S 期では、染色体が形成される。
細胞が新しく分裂して増えるサイクルがあるんだけど、
「S期」っていうのは、次の細胞に情報を渡すために、遺伝子のコピーを作る期間なんだ。染色体がはっきり見えるようになるのは、もっと後の時期だよ。
細胞周期は、に分けられます。S期(Synthesis phase)は、DNAが複製される時期であり、遺伝情報が倍になります。
この時点では、染色体はまだ凝縮して「棒状」の形としてははっきりとは見えません。染色体が明確な形で観察できるようになるのは、M期(特に前期)になってからで、DNAがぎゅっと凝縮してコンパクトにまとまることで、顕微鏡でも見えやすくなるんだ。
✖️(5) マクロファージは、リンパ球から分化する。
マクロファージとリンパ球は、どちらも体を守る「免疫細胞」の仲間だけど、もともと違う種類の細胞から作られるんだ。
マクロファージはもっと広い範囲で体を守る「食いしん坊」な細胞で、リンパ球はもっとピンポイントで敵を攻撃する「専門家」みたいなイメージだよ。
マクロファージは、血液中の単球(白血球の一種)が組織に移動して分化した細胞です。
異物や病原体を貪食・処理する働き(食作用)を持つ「貪食細胞」であり、免疫応答の初期段階で重要な役割を担います。
一方、リンパ球(B細胞やT細胞など)は、リンパ系幹細胞から分化し、特定の病原体に対する特異的な免疫応答を担う細胞です。つまり、マクロファージとリンパ球は、どちらも免疫系の細胞ですが、起源となる細胞も機能も異なります。
まとめ
この問題で最も適当なのは、(3) 全ての細胞は、1つの受精卵から発生する。 でした。
このような基礎的な知識は、管理栄養士として、食と健康のつながりを深く理解するためにとても大切です。体の仕組みをしっかり学ぶことで、栄養がどのように体に作用するのかがもっと面白く感じられるはずですよ!頑張ってくださいね!
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