第39回管理栄養士国家試験(56問目)
食べ物と健康
第39回【56問目】栄養成分とその分析方法の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1) たんぱく質 – カールフィッシャー法
(2) 脂質 – 原子吸光光度法
(3) 炭水化物 – ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法
(4) 食物繊維 – プロスキー法
(5) ナトリウム – ケルダール法
厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf
第39回【56問目】栄養成分とその分析方法の組み合わせに関する問題、解説スタート!
この問題の正解は、(4) 食物繊維 – プロスキー法 です!


第39回【56問目】栄養成分とその分析方法の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
✖️(1) たんぱく質 – カールフィッシャー法
カールフィッシャー法は、たんぱく質ではなく、食品中の水分量を測る方法です。
カールフィッシャー法は、特定の化学反応を利用して、食品に含まれる水分を非常に正確に定量する方法です。
食品の品質管理や保存性評価に広く用いられます。たんぱく質の定量には、主にケルダール法やデュマ法などが用いられます。
✖️(2) 脂質 – 原子吸光光度法
原子吸光光度法は、脂質ではなく、食品中のミネラル(金属元素)の量を測る方法です。
原子吸光光度法とは
原子吸光光度法は、検体中の金属元素(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄など)が、特定の波長の光を吸収する性質を利用してその濃度を測定する方法です。
非常に微量のミネラルでも検出できるため、食品の栄養成分分析や有害物質の検査に利用されます。
脂質の定量には、エーテル抽出法(ソックスレー抽出法など)やゲールベル法などが用いられます。
✖️(3) 炭水化物 – ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法
ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法は、炭水化物ではなく、食品中の脂質を測る方法です。
ソックスレー抽出とは
ソックスレー抽出法は、溶媒(この場合はジエチルエーテル)を用いて食品から脂質成分を効率的に抽出し、その質量を測定することで脂質含量を定量する方法です。
炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられますが、一般的に食品表示基準でいう「炭水化物」は、全体の量から水分、たんぱく質、脂質、灰分(ミネラル)を除いた残りの部分として算出される「差引き法」が用いられることが多いです。個別の糖質成分の定量には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などが使われます。
⭕️(4) 食物繊維 – プロスキー法
プロスキー法は、食物繊維を定量するために広く用いられている分析方法の一つです。
プロスキー法(酵素-重量法)とは
プロスキー法(酵素-重量法)は、食品中のデンプンやタンパク質などの消化性成分を、消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼなど)で分解・除去し、消化されずに残った部分を食物繊維として定量する方法です。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方を測定できるため、食品の食物繊維表示に用いられる主要な方法です。
✖️(5) ナトリウム – ケルダール法
ケルダール法は、ナトリウムではなく、食品中のたんぱく質の量を測る方法です。
ケルダール法とは
ケルダール法は、食品を濃硫酸などで分解し、含まれる窒素をアンモニアとして回収し、そのアンモニア量からタンパク質含量を算出する方法です。
食品中の窒素は主にタンパク質に由来するという原理に基づいています。ナトリウムなどのミネラルの定量には、原子吸光光度法や炎光光度法などが用いられます。

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