第39回管理栄養士国家試験(46問目)
食べ物と健康
第39回【46問目】油脂類に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1) サフラワー油は、ヒマワリの種子を原料として製造される。
(2) バターのリノール酸含量は、とうもろこし油より多い。
(3) えごま油のα─リノレン酸含量は、ごま油より多い。
(4) カカオ脂のヨウ素価は、オリーブ油より大きい。
(5) 米ぬか油のけん化価は、パーム油より大きい。
厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf
第39回【46問目】油脂類に関する問題、解説スタート!
この問題の正解は、(3) えごま油のα-リノレン酸含量は、ごま油より多い。 です!


第39回【46問目】油脂類に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
✖️(1) サフラワー油は、ヒマワリの種子を原料として製造される。
サフラワー油は、ヒマワリではなくべに花の種子から作られます。
ヒマワリの種子から作られるのは「ひまわり油」ですね。サフラワー油は、べに花(紅花)の種子から採取される油で、リノール酸を豊富に含むものと、オレイン酸を豊富に含む品種があります。
✖️(2) バターのリノール酸含量は、とうもろこし油より多い。
バターは乳製品で、主に動物性脂肪です。一方、とうもろこし油は植物油で、リノール酸が非常に多いです。だから、バターのリノール酸含量はとうもろこし油より少ないです。
リノール酸は、必須脂肪酸の一つで、多くの植物油に豊富に含まれています。とうもろこし油は、リノール酸が約50〜60%を占める代表的な油です。バターは飽和脂肪酸が多く、リノール酸の含有量はごくわずかです。

⭕️(3) えごま油のα─リノレン酸含量は、ごま油より多い。
えごま油は、α-リノレン酸という体内でDHAやEPAに変わる大切な脂肪酸を非常に多く含んでいます。ごま油にはほとんど含まれません。
α-リノレン酸は、n-3系(オメガ3系)脂肪酸の一種で、えごま油や亜麻仁油に特に多く含まれています。
一方、ごま油の主要な脂肪酸はリノール酸(n-6系)とオレイン酸(n-9系)であり、α-リノレン酸の含有量は非常に少ないです。
✖️(4) カカオ脂のヨウ素価は、オリーブ油より大きい。
ヨウ素価
ヨウ素価は、油脂の不飽和度(二重結合の多さ)を示す指標です。
カカオ脂は固形に近い油脂なので不飽和度が低く、ヨウ素価はオリーブ油より小さいです。
ヨウ素価が高いほど、その油脂には多くの不飽和脂肪酸が含まれており、常温で液体のものが多いです。
オリーブ油はオレイン酸などの不飽和脂肪酸を多く含むためヨウ素価が高いですが、カカオ脂は飽和脂肪酸が多く、常温で固形であり、ヨウ素価は低いです。
✖️(5) 米ぬか油のけん化価は、パーム油より大きい。
けん化価
けん化価は、油脂をけん化するのに必要な水酸化カリウムの量を示す指標で、油脂を構成する脂肪酸の平均分子量(鎖の長さ)に関係します。
米ぬか油もパーム油も、比較的似た分子量の脂肪酸で構成されているため、けん化価に大きな差はありませんが、一般的に米ぬか油のけん化価はパーム油と同程度か、むしろわずかに小さいことが多いです。
けん化価が高いほど、その油脂を構成する脂肪酸の平均分子量が小さい(つまり、短い鎖の脂肪酸が多い)ことを示します。
パーム油は主にパルミチン酸とオレイン酸、米ぬか油はオレイン酸とリノール酸が主ですが、どちらも長鎖脂肪酸が多いため、けん化価は比較的似た値を示します。例えば、米ぬか油のけん化価は180-195程度、パーム油は190-205程度で、パーム油の方がやや高い傾向にあります。
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