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はじめての学術論文の探し方

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はじめての学術論文の探し方


○初めて論文を読もうとしているけれど、論文の調べ方がわからない・・・

○卒業研究のために背景知識を身に付けたいけれど、論文の調べ方がわからない・・・

○インターネット上で検索できる便利な論文検索ツールを知りたい・・・

 

皆さんは、「学術論文」をどのようにリサーチしているでしょうか。

これから学術論文を調べていきたいけれど、どのようにして調べれば良いのかわからないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、そのような悩みを解決する手助けとして、これから論文を読み始めていくであろう多くの方々に向けて、
『はじめての論文検索のためのツールやその活用法』についてご紹介していきたいと思います。

※あくまでも私の論文の調べ方の一部を例にしていますので、もっと良い検索方法をご存知の方がいらっしゃれば、是非とも教えていただきたいです。

1.よく使われる論文検索ツール『PubMed』

もっともよく使われている論文検索のツールは何と言ってもやはり「PubMed」ではないでしょうか。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

PubMedを使ったことがないという方も、この機会に是非とも使ってみましょう。

○PubMedの使い方

1. まずは上記のURLからホームページに移ってみましょう。

2. Search PubMedに調べたい論文に関する「キーワード」を入力します。ここでは、例として「obesity(肥満)」を入力してみます。

3. キーワードを入力すると、ヒットした論文が表示されます。「検索でヒットした論文数」が一番上に表示され、ヒットした複数の論文に関する「論文タイトル」「著者」「雑誌名」「出版年」などが表示されます。

この時点で読みたい論文が見つからない場合、ヒットした論文数を減らすためにさらに絞り込みをしていきます。

4. 左側のチェック欄から目的にあった論文を絞り込めます。上から順に「無料のフルテキストの有無」「記事の種類」「出版年」などの条件がつけられます。

※レビュー記事とは、その分野に関するさまざまな過去の論文をまとめた論文です。

5. さらに条件を絞り込むためにタイトルに2つ目の「キーワード」を入れてみます。ここでは、「brown dipose tissue(褐色脂肪組織)」を入力してみます。すると先ほどよりも条件を絞り込むことができました。

「Free article」と書かれているものは無料でフルテキストを読むことができます。タイトルやabstract(要約)を読んでみて、興味をもった論文をフルテキストで読んでみると良いかもしれません。

タイトルをクリックするとAbstractの載せられているページに移動します。その後、右上の「Full Text Link」からフルテキストが読めるページに移動できます。

これで「PubMed」の最低限の使用方法はわかってきたのではないかと思います。

それではNature、Cell、Scienceといったトップジャーナルの論文だけを読みたいというケースも考えてみましょう。

6. 先ほどのキーワードに関連した論文の中で、ある特定の雑誌(例えば「NatureCell」など)に掲載されている論文を読みたい場合には、より詳細な条件で論文を検索できる「Advanced」という機能を使うことができます。

7. 「Advanced」をクリックすると、以下のようなページが出てきます。そこで「Add terms to the query box」から「Journal(雑誌)」を選択してみます。そして以下のように「Nature」というキーワードを入力します。

8. 続いて、「Cell」というキーワードを入力しますが、このとき「Add with OR」を選択します。これでNatureあるいはCellに掲載された論文だけを表示するという条件をつけることができます。

※「AND」は「両方の検索条件をみたす」、「OR」は「少なくともどちらか一方の条件を満たす」、「NOT」は「前の条件を満たすが後ろの条件を満たさない」という意味になります。

9. 次に「Add terms to the query box」から「Title/Abstract(タイトル/要約)」を選択してみます。そして以下のように「obesity」というキーワードを入力します。このときに「Add with AND」を選択します。

以下では、さらに「brown adipose tissue」というキーワードを入力した後、「Search」をクリックした結果になりますが、検索でヒットした論文がしっかりと絞り込められているのがわかります。

また、論文のジャーナル名を見ると「Nature」や「Cell」だけがヒットしているのがわかります。

ここからさらに、左の条件で「出版日」の範囲などを決めて目的の論文や最新の論文を探してみましょう。

2.まずは『Google Scholar』で論文検索してみよう!

「Google scholar」は、Googleの提供する学術論文向けの検索サイトです。「被引用回数」が表示されるなど、非常に使い勝手もよく、初めて論文を読む方を含めて是非とも使ってみてほしい論文検索ツールの一つです。

https://scholar.google.co.jp

○Google Scholarの使い方

1. まずは上記のURLからホームページに移ってみましょう。

2. 通常のGoogle検索のように、調べたい論文に関する「キーワード」を入力します。ここでは、例として「UCP1(褐色脂肪マーカー遺伝子)」と「adipose tissue(脂肪組織)」を入力してみます。

3. キーワードを入力すると、ヒットした論文が表示されます。「Google scholar」では「被引用回数」が表示されます。この被引用回数が多ければ多いほど、その論文の当該分野における影響は大きい傾向があり、その研究分野を作り上げてきたような権威のある論文であることが多いです。

そのため、初めて論文を読む方にとってこの被引用回数というのは、最初に読む論文を選択するための良い指標になるのではないかと思います。

PubMedではFull textが読めなかった場合でも、「Google scholar」であれば読めることもあります。

そのため、PubMedで検索して読めなかった論文のタイトルをGoogle scholarで是非検索してみてください。

3.日本語の論文を探すときは『CiNii』や『J-STAGE』

日本語の論文を検索したい場合には、「CiNii」や「J-STAGE」のサイトが便利です。

「CiNii」
https://ci.nii.ac.jp

「J-STAGE」
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja

4.論文検索サイトは登録しておこう

「PubMed」や「Google scholar」は論文検索ツールとして、「お気に入り登録」「リーディングリスト登録」「ブックマーク登録」などをしておくことで、いつでもすぐに論文を検索できる環境を用意しておきましょう。

また、『Nature』『Cell』『Science』などの超一流誌を含めて、よく読むジャーナルのURLも登録しておいても良いかもしれません。まずは「これを読みたい!」と思えるような論文を探すところから始めてみましょう。

「Nature 」
https://www.nature.com

「Cell」
https://www.cell.com

「Science」
https://www.sciencemag.org

5.オープンアクセス誌の増加を活用しよう

完全オープンアクセスで有名な「PLoS」やNatureの姉妹誌である「Nature Communications」など、誰もが無料で読める学術論文が急増しているのが現状です。そのため、例え大学生であっても、大学教授や専門家と同レベルの論文が読める時代になってきています。

論文の影響力(インパクト)を評価する指標の一つに「インパクトファクター(IF)」と呼ばれるものがあります。

「ある雑誌から発表された論文が平均でどれだけ引用されるのか」を計算した値が「インパクトファクター」です。このインパクトファクターは雑誌ごとに、「論文の雑誌名+impact factor」でインターネット検索すると出てくると思います。

ちなみに、Nature、Cell、Scicenceといった超一流誌のインパクトファクターは30を超えてきます。

このような論文評価方法の指標もあるということは知っていても良いかもしれません。

6.英単語の意味は『ライフサイエンス辞書』で調べよう

生命科学系の英語論文を読んでいると、最初の頃は意味がわからない単語がたくさん出てくると思います。特に、学術的な単語(連語)の意味は、普段使っている辞書には載っていないこともあります。

そこでオススメなのが『ライフサイエンス辞書』という生命科学系向けの電子辞書です。

『ライフサイエンス辞書』
https://lsd-project.jp/cgi-bin/lsdproj/ejlookup04.pl

英和だけでなく和英の機能もついていますので、日本語から英語に直すときにも便利です。

はじめての論文検索のためのツールやその活用法についてはこれで以上です。

以下の記事では理系大学生の英語の勉強法について書いていますので、興味のある方は是非見てみてください。

→2)理系大学生がするべき英語の勉強法とは?(TOEIC 800を目指そう)

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【参考】

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