管理栄養士国家試験問題・解説

第39回【36問目】平滑筋に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

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第39回管理栄養士国家試験(36問目)

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

第39回【36問目】平滑筋に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ

(1) 細胞は円柱形である。

(2) 横紋が観察される。

(3) 介在板が観察される。

(4) 骨に付着する。

(5) 不随意筋である。

厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf

第39回【36問目】平滑筋に関する問題、解説スタート!

この問題の正解は、(5) 不随意筋である。 です!

黒アザラシ
黒アザラシ
なんでこれが正解で、他の選択肢は違うの??

しろくまさん
しろくまさん
じゃあ、一つずつ詳しく見ていこうね!

第39回【36問目】平滑筋に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ

✖️(1) 細胞は円柱形である。

平滑筋の細胞は、紡錘形(ぼうすいけい)といって、両端がとがったラグビーボールのような形をしています。円柱形ではありません。

筋肉の細胞にはいくつかの種類があり、それぞれ形が異なります。

メモ

平滑筋細胞:単核で、中央が膨らみ両端が細くなった紡錘形をしています。内臓の壁(消化管、血管、膀胱など)に広く分布しています。
骨格筋細胞細長い円柱形をしており、多核で横紋(しま模様)が見られます。
心筋細胞:分岐があり、単核または二核で、横紋が見られ、介在板で連結しています。

したがって、平滑筋細胞は円柱形ではありません。

✖️(2) 横紋が観察される。

「横紋(おうもん)」というしま模様が見られるのは、骨格筋や心筋です。平滑筋にはこの横紋はありません。

筋肉の収縮に必要なアクチンやミオシンといったタンパク質繊維の並び方によって、顕微鏡で見たときにしま模様(横紋)が見える筋肉と見えない筋肉があります。

横紋筋と平滑筋の見た目

横紋筋骨格筋と心筋がこれに分類されます。アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが規則正しく配列しているため、横紋が観察されます。
平滑筋:アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの配列が不規則なため、横紋は観察されません。

これが「平滑」と呼ばれるゆえんです。

✖️(3) 介在板が観察される。

 「介在板(かいざいばん)」という特殊な構造が見られるのは、心臓の筋肉である心筋だけです。平滑筋にはありません。

介在版の役目

介在板は、心筋細胞同士を強力に連結し、電気信号を素早く伝達するための特殊な細胞結合部位です。これにより、心筋全体が同期して収縮し、心臓が一体となってポンプ機能を果たすことができます。

平滑筋細胞は、ギャップ結合などで隣接する細胞と連絡を取りますが、介在板のような構造は持ちません。

✖️(4) 骨に付着する。

骨に付着して体を動かすのは「骨格筋」です。平滑筋は、主に胃や腸などの内臓の壁、血管の壁にあり、骨には付着しません。

筋肉は、その機能や付着部位によって分類されます。

筋肉の位置

骨格筋に付着しており、意識的な運動(随意運動)によって体を動かします。
平滑筋消化管、血管、気管支、膀胱、子宮などの内臓や管状器官の壁に存在し、無意識に働く(不随意運動)ことで、消化吸収、血圧調節、排泄などを行います。
心筋心臓の壁を構成し、やはり無意識に働く不随意筋です。

平滑筋は、骨格運動には関与しません。

⭕️(5) 不随意筋である。

平滑筋は、私たちの意思とは関係なく、勝手に動いてくれる筋肉です。例えば、胃や腸が消化のために動いたり、血管の太さが変わったりするのは、意識せずに行われる平滑筋の働きです。

筋肉は、その収縮が意識によってコントロールできるか否かによって、「随意筋」と「不随意筋」に分類されます。

随意筋と不随意筋

随意筋意識的な命令で動かすことができる筋肉です。骨格筋がこれに当たります。
不随意筋:私たちの意識とは関係なく、自律神経系によって自動的に動く筋肉です。平滑筋と心筋がこれに当たります。

平滑筋は、消化管の蠕動運動、血管の収縮・拡張、膀胱の収縮など、生命維持に必要な様々な生理機能を、私たちの意識なしに調節しています。

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