第39回管理栄養士国家試験(53問目)
食べ物と健康
第39回【53問目】細菌性食中毒の原因菌の学名と主な原因食品の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1) Campylobacter jejuni – 魚介類
(2) Clostridium perfringens – カレーライス
(3) Salmonella enterica serovar Enteritidis – 二枚貝
(4) Staphylococcus aureus – はちみつ
(5) Vibrio parahaemolyticus – 鶏卵
厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf
第39回【53問目】細菌性食中毒の原因菌の学名と主な原因食品に関する問題、解説スタート!
この問題の正解は、 (2) Clostridium perfringens – カレーライスです!


第39回【53問目】細菌性食中毒の原因菌の学名と主な原因食品の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
✖️(1) Campylobacter jejuni – 魚介類
Campylobacter jejuni(カンピロバクター・ジェジュニ)の主な原因食品は、魚介類ではなく鶏肉や加熱不十分な肉、飲料水などです。
カンピロバクターは、鶏や牛、豚などの家畜やペットの腸管に広く生息しており、特に鶏肉の汚染率が高いことで知られています。
生や加熱不十分な鶏肉、あるいは調理器具や手指を介した二次汚染が主な感染経路となります。
新鮮な魚介類からの感染は稀であり、他の動物性食品や飲料水が原因となるケースが多いです。
⭕️(2) Clostridium perfringens – カレーライス
Clostridium perfringens(ウェルシュ菌)は、一度に大量に調理され、保存中に温度が下がった状態で増殖しやすい菌で、カレーライスや煮込み料理が典型的な原因食品です。
ウェルシュ菌は土壌や動物の糞便中に広く分布し、酸素の少ない環境(嫌気性)で増殖する芽胞形成菌です。
カレーやシチューなどの大鍋料理は、中心部まで均一に冷却されにくく、加熱によって酸素が除去された後に、菌の増殖に適した温度帯(12℃~50℃)に長時間置かれることで、芽胞が発芽・増殖し食中毒を引き起こします。
✖️(3) Salmonella enterica serovar Enteritidis – 二枚貝
Salmonella enterica serovar Enteritidis(サルモネラ・エンテリカ血清型エンテリティディス)の主な原因食品は、二枚貝ではなく鶏卵や食肉、それらの加工品です。
サルモネラ菌、特にサルモネラ・エンテリティディスは、鶏の卵巣などに保菌されることがあり、鶏卵の内部が菌に汚染されることがあります。
そのため、生や半熟の卵、卵を使用した料理(オムレツ、カスタードなど)、また食肉(特に鶏肉)の生食や加熱不十分な摂取が主な食中毒の原因となります。二枚貝による食中毒は、ノロウイルスや腸炎ビブリオが主な原因となります。
✖️(4) Staphylococcus aureus – はちみつ
Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)の主な原因食品は、はちみつではなく、おにぎりや弁当、サンドイッチなど、人の手で調理される食品です。
黄色ブドウ球菌は、人の皮膚、鼻腔、のどなどに常在している菌で、傷口の化膿などにも関与します。この菌が食品中で増殖する際に、耐熱性のエンテロトキシンという毒素を産生し、食中毒を引き起こします。
そのため、おにぎりを素手で握ったり、調理中に手が食品に触れたりすることで食品が汚染され、適切な温度管理がされないと毒素が蓄積します。
はちみつは、乳児ボツリヌス症の原因となるボツリヌス菌の芽胞が含まれる可能性があるため、乳児には与えないように注意が必要です。
✖️(5) Vibrio parahaemolyticus – 鶏卵
Vibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)の主な原因食品は、鶏卵ではなく魚介類とその加工品です。
腸炎ビブリオは、海水中に生息する細菌で、夏季に海水温が上昇すると増殖しやすくなります。
この菌に汚染された魚介類を刺身や寿司など生で食べたり、加熱不十分で摂取したりすることで食中毒が発生します。
また、汚染された魚介類を扱ったまな板や包丁を介した二次汚染も食中毒の原因となるため、調理時の交差汚染防止が重要です。鶏
卵が原因食品となるのは、主にサルモネラ菌です。
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