第39回管理栄養士国家試験(41問目)
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
第39回【41問目】関節リウマチに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1) 発症のピーク年齢は、60 歳以上である。
(2) 男性に多い。
(3) 滑膜の炎症が生じる。
(4) 関節炎症状は、片側の関節に好発する。
(5) 自己抗体は、陰性である。
厚生労働省 第39回管理栄養士国家試験の問題(午前の部)(2025) .
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001428960.pdf
第39回【41問目】関節リマウチに関する問題、解説スタート!
この問題の正解は、(3) 滑膜の炎症が生じる。 です!


【41問目】関節リウマチに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
関節リマウチ病とは?
- 自分の免疫が関節を間違って攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一つです。
- 関節の炎症が続き、最終的には関節の破壊や変形が起こる病気です。

✖️(1) 発症のピーク年齢は、60 歳以上である。
関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、特定の年齢層に集中する傾向があります。
最も発症しやすいのは30代から50代、特に40代がピークとされています。
高齢になってから発症することもありますが、一般的には若年~中年期に多く見られます。
この年齢層は、仕事や子育てなどで忙しい時期にあたるため、日常生活への影響も大きくなります。
✖️(2) 男性に多い。
関節リウマチは、女性に男性の約3~4倍多く発症すると言われています。なぜ女性に多いのか、詳しい理由はまだ完全には解明されていませんが、女性ホルモン(特にエストロゲン)の関与が示唆されています。
妊娠・出産を経験する女性の場合、関節リウマチの活動性が変化することもあります。性差を理解することは、患者さんの背景を考える上で重要です。
⭕️(3) 滑膜の炎症が生じる。
関節は、骨と骨の間にあって動きを滑らかにする役割を持つ部分です。その関節を包む「関節包」の内側には、「滑膜(かつまく)」と呼ばれる薄い膜があります。この滑膜は、関節の動きをスムーズにする「滑液(かつえき)」を分泌しています。
関節リウマチでは、この滑膜に慢性的な炎症が起こることが病気の始まりです。炎症が続くと、滑膜が異常に増殖し(パンヌス形成)、軟骨や骨を破壊していきます。これが関節の痛み、腫れ、変形、機能障害につながります。
炎症を抑えることが治療の目標となり、抗リウマチ薬や生物学的製剤が使用されます。炎症と栄養状態は密接に関わるため、管理栄養士としては炎症を抑える食事や、必要な栄養素の補給を考えることになります。
✖️(4) 関節炎症状は、片側の関節に好発する。
関節リウマチの典型的な症状は、手や足の指の付け根の関節(MP関節、PIP関節)、手首、足首、ひじ、ひざなど、全身の関節に炎症が起こることです。
特に、左右対称性に症状が出やすいのが特徴です。
例えば、右手の指の関節が腫れると、左手の同じ指の関節も腫れる、といった具合です。
朝起きた時に、手足の指がこわばって動かしにくい「朝のこわばり」も特徴的な症状の一つで、長く続くのが特徴です(30分以上)。
片側の関節だけに症状が強く出る場合は、変形性関節症など、他の関節疾患の可能性も考えられます。
✖️(5) 自己抗体は、陰性である。
自己免疫疾患である関節リウマチでは、自分の体の一部を攻撃してしまう「自己抗体」が作られます。
主な自己抗体として、以下の2つが挙げられます。
自己抗体
リウマトイド因子 (RF):関節リウマチの患者さんの約70~80%で陽性になります。ただし、他の病気や健常者でも陽性になることがあるため、これだけで診断はできません。
抗CCP抗体 (抗環状シトルリン化ペプチド抗体):リウマトイド因子よりも特異性が高く、関節リウマチの診断や、将来の関節破壊の予測に役立つとされています。
こちらも多くの患者さんで陽性になります。
これらの自己抗体の有無は、診断基準の一つであり、治療方針の決定にも役立ちます。
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