理系大学生がするべき英語の勉強法とは?
理系の大学生には、文系と比べて英語が苦手だなと感じる方が多いのではないでしょうか。『理系だから英語は必要ない』と考えている人も、中にはいらっしゃるかもしれません。しかしながら、それは今後、すごく損をしてしまう可能性があります。
理系の大学生では、大学3・4回生に進学するとともに、学術論文(いわゆる英語だけで書かれている論文)を読む機会が、格段に増えてくるのではないかと思います。(中には、2回生やそれ以前から読んでいる強者もいらっしゃるかもしれませんが…)
このとき、全く英語が読めない人と、英語を読むのが苦にならない人では、論文のリサーチに対するモチベーションや効率に雲泥の差が出てきてしまいます。
また、オープンアクセスの論文(誰もが無料で読める学術論文)というのが急激に増えてきているのが現状です。これは、例え大学生であっても、大学教授や専門家と同等レベルの論文がいつでも無料で(スマホ一つで)読めてしまう時代になってきていることを意味しています。
学術論文は、これまでの偉大な大先輩たち(研究者たち)の知恵や技術を無料で学べるツールでもあります。そこで今回は、今後学術論文を読んでいくであろう方々に向けて、『理系の大学生が自宅で学べる英語の勉強法』をご紹介していきたいと思います。
英語が苦手でどのように勉強したらいいのか悩んでいる方も是非参考にしてみてください。
※学術論文の調べ方に関しては「1)はじめての学術論文の探し方」で解説していますので、興味があれば見てみてください。
1. 理系大学生はTOEIC800を目指そう
いきなり学術論文を読もうとしても、高校生の時から英語があまり得意ではなかった人にとっては、不可能に近い話だと思います。そこで、まずは英語力をつけることから始めてみましょう。
ここで重要なのは、(英語が苦手な人の場合は特に)大学3・4回生で学術論文をある程度読めるようになるためには、少なくとも大学1・2回生のうちから、英語の勉強をしておく必要性があるということです。
英語の勉強は、目標がなければ続けるのが困難な面があります。そこでまずは、具体的な目標をもつことから始めてみましょう。大学1・2回生では、TOEICで良いスコアを取るというのが一つの目標(英語を勉強するモチベーション)になるかもしれません。
個人的にTOEICのスコアをあげるための重要なポイントとしては、「半年~1年くらいで達成できるスコア(600など)」と「最終的に目指したいスコア(800など)」を自分なりに考えてみることだと思います。そして目標を達成するたびに、目指すスコアを少しずつ上げていきます。
そうすれば、努力次第(少なくとも1〜2年は継続して勉強する必要があると思います)で、最終的に目指したいスコアまで到達できる可能性が大きく向上するのではないかと思います。
ちなみに、TOEICのスコアが700〜800を超えてくると、ある程度論文を読むための基礎的な力(ベース)はあるのではないかという印象があります。
また、TOEICは就職活動や大学院への進学に必要であることも少なくないので、早めにTOEICの勉強をしてみても良いのではないかと思います。TOEICのスコアが800を超えていると、少なくともマイナスの印象を与えることはないでしょう。
※大学によって進学にTOEFLを必要とする場合もありますので注意してください。
○TOEICの対策本を活用しよう
実際問題としてTOEICのスコアをあげるためには、まずはTOEICがどのような試験でどのような形式の問題が出るかを知らなければいけません。
そのためにはTOEIC対策本を活用することが、スコアアップを兼ねて非常に効率的です。
TOEICの対策本はたくさん販売されていますが、基本的には
『公式問題集』『Part毎の対策本』『(必要に応じて)文法・単語の対策本』
があります。これらの活用法の例は以下のようになります。
1. 公式問題集を解く
2. 苦手なPartをPart毎の対策本で克服する
3. 必要に応じて単語や文法を勉強する
同じ系統の対策本を何冊も買う必要はありません。一度買った対策本は何度も繰り返し使用することを心がけてください。そうすることで、自分の弱点が徐々に克服されていくのではないかと思います。
2. 英語をアウトプットできる学習時間を確保しよう
TOEICのスコアだけで満足してしまうのではなく、英語を発する(アウトプットする)ことも重要です。理系の大学生は、大学院生(学部4年間を終えてさらに研究を継続するために、大学院へと進学します)に進学すると、国際学会で発表をする機会を得られる場合もあります。
また、英語をアウトプットすることは、リスニング力を高める練習にもなり、結果としてTOEICのスコアも上昇することが期待できるかもしれません。
現在は新型コロナウイルスが蔓延した影響で、語学留学をしたり、直接英会話スクールに行ったり、マンツーマン英会話をカフェでしたりすることが難しい状況です。
そこで、この機会を是非利用して(何か家のなかでもできることがないかと探している方は特に)オンライン英会話などにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。パソコンやスマホ1つで海外の方と会話ができるのは今の時代だからこそできることの一つです。
とにかくいろいろなことに挑戦してみることが重要だと思います。大学生のうちは比較的自由に使える時間が多いですが、この時間をどのように使うかがその人の今後の人生を決めるといっても過言ではないのではないでしょうか。
3. 『TED』の動画サイトから生命科学を英語で学ぼう
さて、ここからは個人的にオススメできる無料の英語サイトをご紹介していきます。
まずは「TED」という幅広い分野の講演を無料で聴ける有名サイトです。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
生命科学の関連で少しだけ例をご紹介させていただくと、
①「CRISPR-Cas9」という画期的なゲノム編集技術の開発に携わった「ジェニファー・ダウドナ博士」のご講演
Jennifer Doudna: How CRISPR lets us edit our DNA
②後天的な母親の情報が子どもへ受け継がれる「エピジェネティックス」に関するご講演
How early life experience is written into DNA
③マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏による「ウイルス感染」に関するご講演
The next outbreak? We're not ready
④「アルツハイマー病」についての本『アリスのままで』の著者リサ・ジェノヴァ博士のご講演
What you can do to prevent Alzheimer's
他にも、新型コロナウイルスに関する最新のご講演まで幅広い内容を閲覧できますので、是非利用してみてください。
4. 「Youtube」を使って英語を聴くことを習慣づけるもあり
YouTubeを使って、無料で英語学習することもできます。先ほどの『Ted』の動画についても、YouTubeで見ることもできます。気になった方はチャンネル登録してみてもいいのではないかと思います。
他にも『Hapa英会話』『AK in カナダ AK-English』など、自分のお気に入りのチャンネルを是非探してみてください。
5. 「Podcast」を使って英語を聴くことを習慣づけよう
Appleの「Podcast」というアプリをご存知でしょうか。Appleユーザーの方で「Podcast」を知らなかったという方は是非使ってみてください。無料でラジオ感覚でさまざまな番組を聴くことができます。
特に便利な機能の一つが、番組を簡単にダウンロードできることです。そのため例えば、電波の届かないような場所や機内モードにしている場合でも番組を聴くことができます。
個人的なオススメは、『バイリンガルニュース』『Speak UP Radio』『TED Talks Daily』『台本なし英会話レッスン』などです。自分のお気に入りの番組を是非探してみてください。
6. 生命科学の分野に興味がある人は『iBiology』という動画サイトを観てみよう
生命科学の分野に興味があるという方には
「iBiology」
という動画サイトが、とても勉強になるかと思います。研究者の中でも有名な方々がプレゼンテーションをされていて、自身の研究を非常にわかりやすくご説明しています。
自分の興味のある内容に関するものを見るのももちろんですが、視野を広げるという意味でも多くの研究者の研究内容を見てみるのも良いかもしれません。
最後に…
大学生のとき(特に入学した頃)には自由に使える時間が比較的多くあります。この時間をどのように使うか、どのように将来に活かすかは自分次第です。目先のことだけにとらわれず、先のことまでじっくりと考えてみるのも良いかもしれません。
【参考】
理系大学生がするべき英語の勉強法についてはこれで以上です。